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TAMDHUと 『天上の葦』

預かったタリスカーの写真を持って、さっそくお墓参りの報告をしにマスターを訪ねていくと、

新しいシングルモルトがたくさん入荷していました。さっそく嬉々として味見を開始。

スペイサイドのタムドゥー(TAMDHU)がありました。

店の名物ゴジラボトルの横で堂々のタムドゥー口開け\(^o^)/

オークとシナモンの香り!シェリー樽の風味!ほどよいピート!

スペイサイドの蒸留所で麦芽自給率が100%なのはここだけ。

これはコストパフォーマンスも含めてかなりよいかも(笑)

長野からの帰りの車中で太田愛新刊 『天上の葦』 を読了。

http://SNS.jp/view_diary.pl?id=1958523889&owner_id=4380531

『犯罪者』 『幻夏』に続くシリーズ第3弾という位置付けでしたが

今までで一番よかった。800ページ以上あるボリュームも、

読み始めると中盤あたりからは止まらなくなり下巻はノンストップ。

相変わらず脳内に映像が浮かんでくるきめ細かい描写に脱帽。

そしてなんというか、あまりにもタイムリーな題材に繋がっていく。

現代社会の危機感を警告するかのような事件の核心。

場所と時間のトリックは事前に推理ができたのも今回は収穫。

感想はまた改めて書き留めておきたいと思うくらい心に刻まれました。

本作に渋谷のロープウェイの話題が出てきたのには驚いた。

渋谷区教育委員会が編集した渋谷の歴史写真集『渋谷の記憶』を

2009年に入手した時、その写真が載っていて衝撃を受けたものです。

http://SNS.jp/view_diary.pl?id=1896091124&owner_id=4380531

空中ケーブルカーとよばれた「ひばり号」は1951年8月25日に開業して

よく翌年の1953年には廃業となってしまった幻のロープウェイ。

東横百貨店(東急東横店東館)屋上と、その隣の玉電ビル(西館)を

子供限定で乗車させていた遊覧専用ゴンドラ。全長75メートル。定員12名。

全4巻出版されているこの写真集でその存在を初めて知ったのですが、

まさかこれが現代の新作小説に出てくるとはびっくりです。

小説のラスト。事件の全容が明らかになり、このロープウェイを見ることが

ある登場人物のある決意のきっかけとなる描かれ方をしいます。

戦後の復興シンボル、時代のキーワードとして生かされていることに驚き。

1951年は戦後6年目。上空から復興著しい渋谷の街を見下ろす子供達。

その笑顔に出会うまでの数々の贖罪を語っている物語でもあります。

単なるクライムサスペンスでは終わらない 『天上の葦』 はオススメです。

タムドゥーを飲みながら、読了の余韻にちょっと浸っている夜でした。

『天上の葦』上

定価(税込): 1728円

ISBN 978-4-04-103636-5-C0093

角川書店

『天上の葦』下

定価(税込): 1728円

ISBN 978-4-04-103637-2-C0093

角川書店