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自殺音頭(作者不詳)

自分で編み出した訳でもない大義名分を使って人を裁くコソドロよりもわたしはピュアなコソドロの方を愛します。

自殺音頭で目を覚ます

いたいけな美談花ざかり

しょっちゅうあっちゃ薬にならん

ただの現実見てみぬ振りよ

訳も分からず生きてみりゃ

こときれ仕舞いに無理難題

釈迦もホッケも不味いのなんの

吐き気を催す猿芝居

来たぞ未来の風来坊

風きり出てきた弁慶様が

あれもあれよといたわりしゃんせ

いたくこの世はお気に召したよ

きりと筆持って書いたは眉の

終わりにかけての案配で

あなたの信心測ります

余計な指図はいりゃしません

そう言わず聞いてと膝つけば

かすめとったはあなたの両足

眼球届けば不届き者よ

じたとばたさん両揃い

何の所縁もございませんが

歯クソと炉基礎の関係と同じ

見る影もありゃしませんしません

自宅謹慎明ければ遠出

イカもあくびも吊れだって早々

むやみやたらと干からびて

いっちょまえに照らされ穴が開く

落成の後生は避けた酒だと

泣く子も黙る見栄咲かせましょ

不味い不味いの一点張りで

ある朝目覚めりゃ美味の舌

調べりゃ無味の品定め

預ける施設もありゃしません

亡くした秤のかわりお代わり

器のかわりにゃ米入りゃ損損

舌で受け止められたらいいが

喉を通れば火もまた涼し

涼し涼しと寒気の裂け目

風かびゅうびゅう吹き飛べば

見るも無惨な穴の奥

ひとり寂しく暮らします

蝋燭一個と心中いたす

心の暮れよう如何かな

絵に書きゃ何かを悟るものかな

旅館の二階で女中が笑わ

旅も祝いの孤独となりて

少しは気が楽果てれば淫ら

もうちょっともうちょっとせがめば終わり

あんたの甲斐性腑抜けと同じ

殺し頃されしたこと同じ

憎み合ってる間柄

仲良くなれない

この世の条理

かけずる床と柱の関係

じたとばたさん暴れるよ

軋み分け合い削れば時代

天下の我が家は泥ネズミ

いたくもかゆくもありません

行く末案ずる豊かさ知らず

麦食って膨れる意識が省エネ

びた一文こぼしません

かくなる上の下の上

あの手この手と絞れば何が

出来たか知れない恐ろし容れ物

命の代わりに入れなさい

脳の水滴貯めなさい

それが何なの知ってれば嘘つき

名のある権威に潰されないよに

せっせせっせと貯めなさい

無駄を無駄なりに貯めなさい

そうして出来た残骸に

名前をつけて貼り出せば

電飾でできた張り紙が

こうこうと闇を照らしてく

命の灯りとなりましょう

自殺音頭で吟えばもぎり

二度と咲かせぬ花見かな

未来待っとるずく無いたちが

性懲りもなく盗めば言葉

与えられると思いきや

むしろ盗まれ歪められ

神だ神だと罵られ

磔になった御師匠様よ

天に変わって哀れみいたす

嬉しい嬉しいと哀れみいたす

嘲り声が聞こえる頃にゃ

日の出と同じ枯野の豊作

来た場所にやっと戻れます

天賦の才があろうがなかろが

生まれる前の混沌と同じ

ドロドロネバネバいたします

私は元の木阿弥です

汚いまんまの木阿弥でいる

方が好まし思います